B型肝炎ウイルスは、C型肝炎ウイルスあるいはエイズウイルスに比べ遥かに感染力が強く、血液だけでなく唾液・体液からも感染します。
成人がB型肝炎ウイルスに初めて感染した場合、その多くは急性肝炎としてウイルスが排除され、血中にウイルスは検出されなくなります。
しかし、B型肝炎ウイルスの欠片は、肝細胞内に残存します。B型肝炎感染既往の方は(感染したこと自体、気付いてない方がほとんどです)、抗癌剤治療、ステロイド治療などの免疫力が抑制される治療をした際、肝細胞内にいる極少量のB型肝炎ウイルスが急増し、重症肝炎あるいは劇症肝炎に陥ることがあります。
(亡くなることもあります)
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B型肝炎に知らないうちに感染していた“感染既往”の方が意外に多いことが報告されており、その頻度は30%くらいだと言われています。 B型肝炎感染既往は、HBc抗体、HBs抗体、HBs抗原を調べて、抗体価などを測定し、感染既往があるかどうか、さらにエコーなどで肝臓の状態を評価することが大切です。
HBs抗原陰性で、B型肝炎ウイルスキャリアーでなくても、B型肝炎感染既往についてご興味のある方は医師にご相談下さい。
(料金はHBc抗体、HBs抗体、HBs抗原を測定して税込2750円となります)
参考文献:長谷川徳子、葛下典由 他:化学療法・免疫療法に伴うHBV活性化のHBc抗体陽性率とその臨床的意義 臨床消化器内科 Vol. 30 2015: 277~281